マンションを購入するときに支払う頭金とは?頭金なしは危険って本当?
マンションを購入する時に必ず考えなければならないのが頭金の問題です。多くの人が頭金を用意して予算を検討していますが、そもそも頭金とはどういうものなのでしょうか?また、頭金なしで購入する場合のデメリットなどはあるのでしょうか?今回は頭金を支払う理由や金額の目安、頭金なしで購入する時に注意する点などを解説します。
マンション購入で頭金を支払う理由
まずは、頭金の基本について考えてみましょう。住宅を購入する際、ほとんどの人がローンを組むことになると思いますが、ローンとは別に自己資金として用意する金額を頭金と言います。当然ですが、頭金を多く入れれば入れるほど、住宅ローンとして金融機関から借りないといけない金額は少なくなります。ローンが減るということは利息も減るということで、結果として返済負担額も少なく済むことになりますよね。
たとえば4,000万円の物件を購入する際、35年の返済期間でローンを組み、金利が1.5%だとすれば、頭金0円だとフルローンになり、支払う額の合計は5,144万円になりますが、最初に頭金を1,000万円支払っておくことができれば支払う額の合計は4,858万円となり、なんとその差は286万円にもなってしまいます。月々支払う額も頭金ありとなしなら3万円ほど違ってきます。毎月のことですし、家計の中で3万円は大きな差ですよね。
また、頭金を入れることでローンを組む上でのメリットが生じる場合もあります。住宅ローン商品の中には、頭金の割合によって金利も変わってくる商品があるからです。つまり、頭金が多ければその分有利なローンを組める可能性も高くなるということです。
また、頭金を支払うことができるというのはそれだけ「貯蓄をする能力がある」と見なされるため、金融機関での住宅ローン審査に通りやすくなることもあります。住宅の購入価格すべてをフルローンとして金融機関で借り入れるのではなく、頭金として金額の一部だけでも最初に自己資金で補うことができれば、気持ち的にも随分楽になりますよね。
頭金の平均額や目安とは
では、実際に頭金はどれくらいの金額を用意するものなのでしょうか。マンションを購入する場合、新築マンションであれば購入価格の約16~17%、中古マンションであれば11~12%程度を頭金として用意する人が多いといわれています。おおむね購入価格の1~2割程度の頭金を用意するつもりでいるといいでしょう。
時々、住宅ローンを軽減させたいあまりに手持ちの資金のほとんどを頭金に注ぎ込んでしまう人もいるようですが、これはこれで少し危険です。マンションの購入には実際の購入価格以外にも諸費用がかかるからです。不動産会社への仲介手数料、金融機関の各種手数料、税金など、細々とした諸費用はまとめると結構な金額になります。新築マンションであれば物件価格の3~6%、中古マンションならさらに多めの6~9%程度を目安にして、頭金とは別に諸費用分として用意しておきたいところです。
頭金なしでマンション購入するのは注意が必要
とはいえ、頭金なしでマンションを購入することも可能です。今は場合によっては諸費用も住宅ローンに含めて金融機関から借りられますので、現金を用意できなくても購入自体はできるということになります。しかし、頭金なしでマンションを購入する際にはいくつか注意も必要です。
ローン審査が厳しくなる
頭金なしの場合、住宅ローンの審査が厳しくなります。頭金ありの場合に比べて借り入れ金額や返済負担額が多くなってしまうので、金融機関としては審査を厳しくせざるをえないからです。せっかく購入したいマンションが見つかったのに、ローンの審査が通らずに購入できないなんて悔しいですよね。少しでもローンの審査に通りやすくするためにも、やはりあらかじめ頭金は用意しておいたほうが無難です。
月々の支払いが多くなる
頭金なしで購入金額のすべてをローンでまかなってしまうと、当然ですが月々の支払いも増えます。頭金が用意できないということはまとまった貯金がないということなので、ローンの支払いが家計を圧迫することにもなりかねません。
変動金利の影響を受けやすい
変動金利でローンを組んだ場合は、将来的に金利が高くなった時に金利分の負担が大きくなってしまいます。理想の住まいを手に入れても、生活が苦しくなってしまっては幸せとはいえませんよね。金利上昇リスクを少しでも減らすためにも、フルローンはなるべく避けて少しでも頭金を入れられるようにしましょう。
まとめ
頭金なしでもローンを組んでマンションを購入することは可能ですが、その分リスクも多くなります。ローンは長い期間をかけて地道に払い続けていくものです。返済中には家族構成の変化や自身の体調の変化などもあるでしょう。どんな時でも無理なく支払いができるようなローンを組むのが理想です。そのためにも、あらかじめ頭金を用意しておくことで、少しでも月々の負担を減らせるようにしましょう。また、どうしても頭金なしでフルローンにせざるを得ない場合は、デメリットやリスクも含めて慎重に検討するようにしてくださいね。