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築30年以上のマンションは購入しても大丈夫?中古マンションの魅力とは

公開日:2023/03/15  


マンションの購入を検討する際、新築か中古かで悩まれる方も多いのではないでしょうか。中古マンションには経済面でのメリットが多く、それ以外にも実物を見て決められることやリノベーションの楽しさなども魅力になっています。今回は中古の中でも築年数が高めの物件、築30年越えの中古マンションの魅力についてご紹介しましょう。

築30年のマンションはずっと住める?

不動産経済研究所によると2022年上半期の中古マンション平均価格は、首都圏も近畿圏も上昇トレンドが継続しています。この上昇率は新築マンションを大きく上回ったもので、2021年までのトレンドと比べても上昇率に加速がかかっています。この現象の背景には、新築マンションの供給減や新型コロナウイルスが与えた住環境に対するニーズの変化、住宅ローンの低金利による「借り得」感、建築費の高騰など複数の要因が影響しています。

新築マンションを諦めた層が中古マンションにターゲットを変えることで、中古マンション市場への関心・需要が高まると、築年数の浅い比較的条件のよい物件は、中古であっても価格が高騰することは時間の問題です。

一方、築年数が30を超えるような物件であれば比較的購入しやすい「ねらい目」といえます。しかし、築30年となると、今度は「ずっと住むことはできるのか?」「購入してもすぐに寿命を迎えてしまうのではないか?」といった心配が生まれてくるものです。

国土交通省の資料によると、一般的に鉄筋コンクリート(RC造)のマンションの寿命は平均で68年、最長の寿命は120年程度となっています。外装によってこの寿命はさらに伸ばすことも可能であるという報告もあり、適正なメンテナンスが定期的に行われているのであれば100年ほどの維持が期待されているのです。そのため、築30年のマンションであれば、残り70年ほど住むことができる計算になります。

ちなみにマンションの寿命について「法定耐用年数」という用語で表現されることも。この用語は建物の物理的な寿命ではなく、不動産価値を表しています。一般的な鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)の場合、法定耐用年数は47年と定められており、この年数は国税庁によって決められているのです。法定耐用年数が過ぎたからといっても、住めなくなるわけではありません。

築30年以上の中古マンションの魅力

築30年以上の中古マンションの魅力としてまず挙げられるのは経済面なメリットです。築30年のマンションは新築時の1/4程度の価格で購入することができ、価格の下落幅が新築と比べて低く、安定した資産価値を持つことが魅力です。また、新築マンションと異なり立地、部屋・共用部の状態、住民の層、マンションの管理状態など実物を見て判断してから購入を決められるのも魅力といえます。

次に設備性能が高いことも魅力です。国土交通省のマンションの長期修繕計画作成ガイドラインによると、マンションの大規模修繕のタイミングは1回目が12~15年目、2回目が24~30年目程度を目安にしています。この大規模修繕では、新築時よりも性能を向上させることが求められているため、耐震性・断熱性の水準が向上したマンションに住むことができます。

築30年以上の中古マンションを選ぶときのポイント

一般的な鉄筋コンクリートであれば100年近くの寿命があり、築30年のマンションでも充分住めることがわかりました。しかし、建物の寿命の長さはメンテナンスの頻度や質によって異なります。そうなると寿命の長いマンションをどうやって見分けたらよいかが気になる点です。築30年以上の中古マンションを選ぶときのチェックしたいポイントは3つあります。

ひとつめはマンションの管理レベルです。チェックしたいポイントとして、水回りと、金属部分の経年劣化、そして清掃部分が挙げられます。水回りとしては、排水や貯水槽への汲み上げポンプが清潔で異臭がしていないか、貯水槽の点検が定期的に行われているか、などに着目しましょう。

貯水槽の設置者・管理者は年に一度点検を行い、水槽の検査結果を保健所に報告する義務があるので、点検結果を管理者から見せてもらい、正常な管理がされているか判断することができます。金属部分の経年劣化に関しては階段や手すりなど鉄の部分にサビが出ていないか、清掃部分は廊下や駐車・駐輪場、ゴミ置き場などの共用部分の利用状況を確認しましょう。細かなところまで管理が行き届いているかどうかを把握することができます。

また、目に見えていない部分のチェックも大切です。とくに生活に欠かせない配管は、経年劣化しやすい部分のひとつ。配管をコンクリートに埋め込んでいるタイプの物件では、配管の取り換え工事をどのように対応しているか忘れずに確認しましょう。配管の種類にもよりますが、一般的な寿命は30~40年が目安となっています。

2つめはコンクリートの状態の確認です。マンションに使われるコンクリートは風雨にさらされることで劣化します。外壁にひび割れがあるかどうかをチェックして、耐久性を確認できます。

最後のポイントは修繕計画の有無です。過去の大規模修繕がきちんと行われているかを前提として、立地に合わせた修繕計画があるかを確認しましょう。たとえば雪害や塩害などが考えられる地域であれば、自然環境による負荷で起こる劣化の補修の計画書を見せてもらうとよいです。

まとめ

築30年以上のマンションにどれくらい住み続けられるか、そしてどのような魅力があるのかについてご紹介しました。一般的な鉄筋コンクリートのマンションだと平均的な寿命は68年程度です。管理やメンテナンスがしっかりしていれば100年以上維持できることが報告されており、築30年でも充分住み続けることができます。築30年以上のマンションのメリットは価格の安さと、実物を見て購入を判断できることです。マンションを選ぶ際には目に見える部分の劣化具合だけでなく、配管などの見えない部分も管理が行き届いているかに注目しましょう。過去に大規模修繕計画が行われているかも要チェックです。

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